ハマダレポート Vol.532. ―混ぜればゴミ、分ければ資源―

ハマダレポート Vol.532. 2020.3.23

―混ぜればゴミ、分ければ資源―

昨年の東日本台風等で、災害廃棄物が約215万トン発生し、そのための処理費が約1250億円、トン当たり約6万円と見込まれています。

東日本大震災の災害廃棄物の分別処理を徹底的に進め、リサイクル率99.22%、処理単価1.8万円/トンを達成した、宮城県東松島市。

3月18日の参議院環境委員会で紹介し、環境大臣に全国への展開を要請しました。

「東松島方式」が生まれたのには、2つの教訓がありました。

第一には、2003年7月の宮城県北部連続地震。東松島市の前身の矢本町と鳴瀬町の災害廃棄物処理費は、予算ベースでは8億円でしたが、分別の不徹底により、実際はその1.5倍の12.5億円もかかってしまったのです。

第二には、阪神淡路大震災。大手ゼネコン中心の災害廃棄物処理となり、下請けの地元建設業者への還元が不十分で、処理後、倒産が相次いだというのです。

これらを受け、東松島市では、51社が加盟する市建設業協会と事前の災害協定を締結し、1.企業毎の担当地区、2.指揮命令系統、3.処理単価を決定。

発災後すぐに、東松島市で発生する一般廃棄物110年分の災害廃棄物109万8000トンを、仮置き場を14分類に分けて受け入れたのです。

そして、木材・木くずは、再生合板の資材やバイオマス燃料に。

コンクリート殻、アスファルト殻は、破砕して再生骨材に。

金属は、銅、鉄、ステンレス、アルミに分別して、市場価格の高いときに売却し、2億円の収益も!

また、ヘドロのような津波堆積物216万0800トンも、塩分を除けば、ミネラル豊富な再生土に。

さらに、不燃物の入った混合ゴミについては、徹底した手作業で、合計19品目に分別したのです。

つまり、被災者800名、市民400名、建設事業者300名の計1500名が、朝8時から昼休みを挟んで夕方まで、一列に並んで、地面に拡げられた混合ゴミから、不燃物等を手作業で分別し、一日20から30メートル前進していくという方式です。

これにより、当初730億円と見積もられていた処理費が2割減の580億円となり、かつ、その8割以上の480億円が地元に還元されました。

特に、水産施設の被害により職を失った方々には、日当が支払われただけでなく、「復興を担う」という生き甲斐がもたらされ、中には、津波で流された大切な家族写真や、亡くなったお子さんの学用品などは、泥を綺麗に拭き取って、持ち主やご遺族に届けられました。

東日本大震災の教訓から学ぶ。浜田まさよし、今後の災害対策に活かして参ります!

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