ハマダレポート Vol.528. ―「心の傷を癒すということ」―

ハマダレポート Vol.528. 2020.2.24

―「心の傷を癒すということ」―

25年前の1月17日、5時46分に兵庫県を中心に襲った、阪神淡路大震災。

「災害ボランティア」とともに、被災後の「心のケア」が重視される、大きなきっかけとなりました。

その最前線で取り組んだ精神科医の安克昌氏が、新聞で連載した内容を加筆して、1996年に出版された、「心の傷を癒すということ」。

それを原案にしたNHK土曜ドラマが、1月から2月にかけて全4回で放映されました。

悩みながら、「心のケア」とは何かを問い続ける、精神科医・「安和隆」を柄本祐(えのもとたすく)さん、夫を支えようとする妻・終子を尾野真千子さんが演じ、その他の素晴らしいキャストと丁寧なストーリー展開に感動しました。

「“はにかみ屋”の若手精神科医・安和隆(柄本)。自分の居場所を探し続ける青年時代を送ってきたが、明るい妻・終子(尾野)と出会い、同じ在日としての悩みを共にできたことでようやく心穏やかな日々を送る。

第一子が誕生した直後、阪神・淡路大震災が起きる。精神科医としてできることは何か…模索の日々が始まる。

その後、精神科医として見た被災地の様子を一冊の本にまとめ、学芸賞を受賞。明るい兆しが見えはじめた、39歳のある日、がんが発覚する。」(ORICON NEWS 等)

モデルの安和昌氏自身、精神科医として最後まで勤務を続けた、神戸市立西市民病院で、大震災から6年を迎えようとしていた、2000年12月2日に、肝臓がんで他界しています。

原作を読んでみたくて、オークションサイトを開いたら、1万円近い高値がついていました。幸い電子ブックが発行されており、600円で入手できました。

高校時代は作家を志望されていた安さんによる、その文章はとても読みやすく、避難所や保健所に設置された精神科救護所での日常的な出来事を綴りながら、専門的な視点から再構成されています。

「災害マニー(そう病)」や「燃え尽き」、子どもたちの「心の傷」の背景など、「心のケア」の実践に貴重な示唆がちりばめられています。

ドラマ第4話終盤、妻、母に車いすを押され、二人の子どもとそして生まれ来ようとする、まだ見ぬ我が子たちと、最期のひとときを公園で散策する、安和隆がつぶやく一言。

「心のケアとは何か分かった」「だれも一人ぼっちにさせへんということや」

原作では、「心のケアとは言いかえれば、心の傷を癒すということであろう。」と綴られていました。

誰一人取り残さない、「人間の復興」へ。浜田まさよし、党の防災減災復興検討委員会で、カタチにして参ります!

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