[No.943]認知行動療法(CBT)の技術研修会を視察!

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8月23日、東京都小平市の国立精神・神経医療研究センターを訪問し、うつ病などの治療法として注目を集めている認知行動療法(CBT)の技術研修会を視察し、同センターの樋口総長、駿河台大学心理学部の堀越教授らと意見交換を致しました。

薬物療法中心の日本のうつ治療にあって、CBTは精神療法と薬物療法を組み合わせることで症状の改善に効果を挙げているが、専門医の不足が大きな課題となっています。

技術研修会は、CBTのための基礎技量(共感能力、コミュニケーションスキルなど)の向上などを目的に、各地の医師や看護師、臨床心理士ら約80名が参加して行われました。

この研修会の講師を務めた堀越教授からは、「認知行動療法の共感とは、相手の感情を察してあげること」と強調されておりました。また、「5年間うつ治療を続けたが改善しない」と訴える患者などを例に挙げ、「『もっと大変な人はいる』など、相手を否定する言葉はいけない。対話の中で心を開かせる言葉を投げ掛けることが大事だ」と言われていました。

同センターの樋口総長からは、うつ病患者が急増している実態に触れ、「社会全体が精神的な課題に注目せざるを得なくなっている」と指摘し、同センター内にCBTセンターの設立準備室を設置したことを紹介され、研究、診療も含めた大きな看板を掲げ、来年の早い時期にスタートさせたいと述べられていました。

CBTセンターについては、成人精神保健研究部の金吉部長は、「米国のように最低でも5年かけて専門家を育てたい」と強調されていました。

また、樋口総長からは、今年4月からCBTが保険適用されたことに対して、「保険が適用されるのは医師のみで、今後は、心理士らも加えたチーム医療を確率しなければ発展しない」との認識を示されていました。

 

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