ハマダレポート Vol.490. ―防災を進める中小企業等経営強化法が成立―
ハマダレポート Vol.490. 2019.6.3
―防災を進める中小企業等経営強化法が成立―
昨年6月、名古屋大学防災研究連携センターを訪問した際に、福和伸夫センター長から、中小企業の防災力向上をとのお声を頂きました。
愛知県は、全国の工業品出荷額の約15%を占める、まさに「ものづくりの中心地」。その底力は、きめ細かなサプライチェーンを構成する中小企業により支えられています。
南海トラフ大地震により、一部の中小企業に起きた被害であっても、全体の工業品出荷が大きく影響を受ける可能性があるのです。
BCP(事業継続計画)をご存じでしょうか。事業者が災害等があった場合に、早期復旧を図るための計画です。
大企業では、「策定」が予定を含めて9割超ですが、中小企業では4割以下で、企業規模が小さいほど策定率が低いのが現状です(従業員10名以下で1割以下)。
福和先生の言葉を受け、直ぐに経済産業省に検討を依頼。BCP策定率向上には、経営者の意識改革が不可欠であることから、補正予算を確保して、各ブロック地区別セミナーを実施することに。
また、この国会で、中小企業等経営強化法を改正して、中小企業がBCP策定等を行い、認定を受けた場合には、自家発電、制震・免震装置等の設備投資に対する減税、損害保険料割引、政府系金融機関からの低利融資などの支援策が受けられるようにすることとしました。
岡山県のある金属プレス加工事業者(従業員25名)は、西日本豪雨で直接の被害は免れたものの、外注先のメッキ加工業者が浸水。即座に別の2社に加工を依頼し、納期を間に合わせることができたそうです。
まさに、BCPに盛り込まれていた、別の生産拠点を確保する「代替拠点」が奏功した例です。
この会社では、災害時だけでなく、平時に置いても「代替拠点」と協定を結び、得手不得手を補いながら、常に供給責任を果たせることから、新たな受注確保につながっているとのこと。
中小企業強靱化を進める中小企業等経営強化法も、先週5月29日の参議院本会議で全会一致で可決成立。
ネットワークで、中小企業の防災力向上へ。浜田まさよし、カタチにして参ります!
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