ハマダレポート Vol.289.ーTPPを契機に、総合的な森林林業対策をー
ーTPPを契機に、総合的な森林林業対策をー
11日の予算委員会では、合板・製材の関税引き下げに対応するため、総合的な森林・林業対策を求めました。
我が国は国土の2/3が森林という、世界有数の森林国です。
この度大筋合意されたTPPでは、現在合板、製材の関税は4.8%から10%ですが、協定が発効すれば段階的に引き下げられ、16年で撤廃となります。
従来、製材や合板は海外から輸入された丸太を原料としていましたが、現在では国産材の利用が主流となってきています。
よって、合板、製材の輸入が拡大すれば、日本の山林が荒れてしまうことにもつながりかねないことから、委員会では、治山対策、地球環境対策といった観点からの山林林業総合対策の必要性を訴えました。
我が国の森林は毎年1億立米の生育があり、山林保全のためその4割は伐採していますが、利用されているのはその半分の2000万立米に留まっています。
間伐材の利用方法として、集成材への利用が進められており、石川県金沢駅の高さ14メートルの鼓(つづみ)門を制作された、石川県の集成材メーカーを訪問させていただきました。その工場や屋根のトラスは鉄骨ではなく全て集成材。
また、このような軸組工法ではなく、木材使用量の多い壁工法で中層公共建築物への適用が期待されている、CLT(直交集成板)。来年度には一般の構造計算で設計できるようになる予定です。
戦後、日本全国で植林され、人工林の4割をしめる杉。材質が柔らかいことから一定の分野には使われてきませんでしたが、飛騨高山の家具メーカーでは、これを35%から50%圧縮して堅い材料に出来る技術を開発され、フローリングから高級車の内装部材までに使用され始めています。
杉の学術名「クリプトメリア・ジャポニカ」は、「隠された日本の財産」という意味だそうです。
山元の切り出しのための路網整備といった川上、合板、製材の設備の近代化といった川中、そして、新たな需要振興といった川下にわたる対策が、11月25日に取りまとめられたTPP政策大綱に盛り込ませることができました。
東海北陸に豊富な森林資源。浜田まさよし、総合的な森林林業対策、進めて参ります!
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