[No.1610]ハマダレポート Vol.260.ー風に立つライオンー
ー風に立つライオンー
さだまさしさんが1987年に発表した同名の楽曲が映画になりました。
“キリマンジャロの白い雪 それを支える紺碧の空
僕は風に向かって立つライオンでありたい”
元々の歌のモチーフは、長崎大学熱帯医学研究所に所属し、アフリカ・ケニアで医療に従事した医師からの体験談です。
今回主役を演じた大沢たかおさんが、その映画化を熱望されたそうです。
「36行の詩しかない歌を果たして、映画にすることができるのか・・・・」
迷われた、さだまさしさんの背中を押したのは、3.11東日本大震災でした。
2013年、ついに小説「風に立つライオン」を書き上げた、さだまさしさんは映画化に着手。
その最初のシーンは、東日本大震災の直後の石巻。ケニアから被災地支援に訪日した青年医師、ンドゥングが一袋のトウモロコシの粒を握りしめている場面から始まります。
内戦が続く隣国スーダンで、教師であったンドゥングの父は母や姉妹と共に、その教え子たちの武装集団に殺害されました。
薬物を打たれ、身も心も「児童兵」になり、戦闘で瀕死の重傷の彼を救ったのが、長崎大学熱帯医学研究所から国境近くの診療所に派遣された医師、島田航一郎(大沢たかお)。
いくら児童兵や負傷者を治療しても回復すれば、戦地に戻るという現実・・・・・。
「ガンバレー、ガンバレー」 未明の大自然に向って”一頭のライオン”はひたすら自らを鼓舞し続けます。
子どもたちの更正にすべてを捧げることを決意し、日本に残した愛する人に手紙をしたためた直後、国境の町で殉職する航一郎・・・・・。
しかし、その国境の町で彼の治療を受けた老婆から、「日本で大震災があったという。食べるものがないだろうから届けてほしい」として預かったのがンドゥングが手にしていたトウモロコシの粒だったのです。
“命のバトンを繋ぐ”
東日本大震災のボランティアに従事していた、さださんが決めた映画化のテーマだそうです。
“獅子は伴侶を求めず”という峻厳な生き方は、逆にそれを受け継ぐ多くの人々を生み出していきました。
映画を観た後、”サバンナの風”が吹き抜けたように感じました。
福島に常駐してはや2年4か月。浜田まさよし、あるべき被災地の復興再生のバトンを繋ぐまで、全力疾走続けて参ります!
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