7月29日 子どもたちへのメッセージ(第三十一回)の収録を終えて

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「子どもたちの夏休み」をテーマにこの一か月間放送をお送りしましたが、最終週の今回は「子どもたちと自殺」について考えていきたいと思います。子どもたちが自由な時間を手に入れた夏休み、しかしそこには思わぬ事態も待ち受けています。実際に子どもたちの自殺件数は増えているのでしょうか。子どもたちを自殺から守る為に私たちが出来ることはなんでしょうか。

■増える自殺者数
皆様、こんにちは。参議院議員の浜田まさよしです。今回は「子どもたちの自殺」のテーマでお話しします。

学生生徒の自殺者数が2011年で初めて1000名を突破(1029名)したという悲しいニュースがありました。特に最近では就職活動の失敗から自殺が増えており、150名と4年前の2.5倍となっています。

この件については水谷さんから詳しく説明がありました。自殺者統計に問題があり、本当の数はさらに多いと言われています。ある大学でも一昨年で20名、昨年で21名子どもたちが亡くなっています。しかし、どう考えても自殺なのですが、実際に自殺の扱いを受けたのは3件のみです。残りは事故死や、例えば硫化水素を用いて亡くなったケースは中毒死と扱われました。若年層が亡くなった時、残された家族のことを考えると自殺だとは医師も書きにくいのだといいます。よって、事故死だとか他の言葉で処理してしまう例が多く、よって本質的に自殺者数の数はもっと多いものだと考えられています。

■若年層の自殺
この若年層の自殺というのはいくつかの特徴があると水谷さんはさらに指摘します。

例えば高校を卒業した大学生や、また就労した子どもたちの自殺は4月から6月にかけて増えるといいます。新しい環境に馴染めない、または地方から都会に出てきて寂しい、そのような状況で死んでいくというケースが後を絶ちません。逆に小中高校生の自殺というのは、完全に8月の第4週から9月の第3週の1か月間に集中しています。4月はクラス、あるいは学校が変わりますが、新しい環境に当初子どもたちは夢を持ちます。去年は不登校やいじめがあったけど新しい場所で友達ができるかなと思い、何とか4月5月は通えます。しかし、結局は挫折して不登校になり、夏休みを迎えるわけです。休みの間に孤独が増して、そしてついに9月には嫌な学校が始まってしまう、その重圧の中で自殺という道を選んでしまうのです。それを何としても予防をしなければ大変なことになります。

■繊細な子どもたち
水谷さんは子どもたちに命の大切さを教えることの必要性を説きました。

例えば、今は親が子供を葬式に連れて行かない、むしろそのような場所に連れて行ってはいけないと思っているのかもしれませんが、そうではありません。そういう場を経験させることで、「死」というものがいずれ自分に訪れるものだと知り、その恐怖の中で今をどう生きて、死までの人生をどう貫いていくのか考える機会を作るべきだといいます。

■命の大切さを教える
自殺する前に何らかのサインがあるはずです。それほど追い込まれている状況だと、場合によってはリストカットなどから入ってくる子どもたちもいます。サインを発見した時に特に親御さんが「あなたを大事に思っているよ」とメッセージを送り命は大切なことを伝えることが重要だと思います。

水谷さんは、学校の先生に、夏休みに入る前に、孤立している子どもたちをきちんとリストアップしてほしい、そして、その子の家に定期的に担任なり養護教諭なり、連絡を取ってほしいと話しました。最悪、その子どもは40日間完全に孤立してしまう、それを避けてほしいと。その家庭訪問がもしかしたらその子が新学期に学校に来る一番のきっかけになるかもしれないので、是非教員側から関わって欲しいと思います。

最後にメディアにお願いしたいのは、自殺には後追い自殺というのがあります。1986年、人気アイドルの岡田有希子さんが自殺され、その後の2週間で32名のファンが後追い自殺した事件がありました。よって、そのような報道をする場合は悩んでいる子どもたちにカウンセリングの専門窓口(「子ども人権SOS」0120-007-110)などの紹介を併せて行ってほしいと思います。

「子どもたちのメッセージ」は毎週日曜日17:25~40 ラジオ日本AM1422Hzで放送中です。(→番組ホームページ

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