7月8日 子どもたちへのメッセージ(第二十八回)の収録を終えて
今週は「夏休みと子どもたちを取り巻く危険について」取り上げました。夏休みに入ると、子どもたちにとって自由な時間が多くなることから、インターネットでの事件が多く発生しています。近年は「コミュニティーサイト」を通しての犯罪が増大していて、子どもたちにいかにネットの危険性を伝えるかが求められています。大きな事件になり手遅れになる前に、まずは家庭で予防できることは何なのでしょうか。
■コミュニティーサイトでの被害
皆様、こんにちは。参議院議員の浜田まさよしです。今週は先週に引き続き、夏休みの子どもたちを取り巻く危険について考えていきたいと思います。
夏休みになりますと、子どもたちは自由な時間が増えるので、通常よりも多くインターネットを使用します。その中で、特に注意しなければいけないのは出会い系サイトです。この問題については、規制法ができたので、2006年には被害が1800名ぐらいだったのが、2011年には300名程度まで減少しました。しかし、このような規制に含まれない、いわゆる「コミュニティーサイト」が、個人間で知り会える場となりました。この被害件数が急増していて、現在1000件を上回りました。コミュニティーサイトでの事件では、大体の加害者が自分の年齢や職業を詐称していることが多く、場合によっては性別までも偽っていて、同性だからと気を許しがちになることが事件の発端になります。
このようにネットの世界はいつわりだらけで、その危険性を子どもたちは分かっていないと水谷さんは指摘しました。水谷さんに相談に来る子どもたちの中には、実際にネット上で知り合った人に会いに行った結果、乱暴され、警察に届け出ようとすすめても、自分が悪いと自身を責めたてるケースも多いようです。
そのような「見えない出会い」は家出の問題につながってきます。家出の中でも最近は「プチ家出」とも言われ、それこそ軽い気持ちで、親の方も携帯があるから数日程度ならば被害届を出さないそうで、これは本当に危険です。データによると、平成23年に警察によって発見された家出少女・少年は一万六千人で、中学生が全体の42.5%を占めて最も多くなっています。男女別にいうと、イメージとして男子が多いように思いますが、実際は両者半々となっているのが現状です。
■「メールけいしちょう」
幼児など小さい子を狙った犯罪も多くなっていて、被害にあう子どもたちの年齢に歯止めはありません。幼児の事件と言えば「宮崎勤事件」という痛ましい事件が過去にありました。1988~89年に東京埼玉で4人の幼女が殺害されたこの事件は、いわゆる「小児性愛者」という子どもたちを対象にして虐待などをする大人の事例でした。そのような大人の存在と危険性を知ってほしいと思います。
水谷さんがある名門中学で講演をした時に、プロフやフェイスブックで自分の写真や学校名、住んでいる地域などを書いている人はいるかと尋ねたそうです。結果は、そうしていると答えた子どもたちは全体の半分に及びました。それは自分の個人情報が不特定多数の人間に知られてしまうことを意味し、しかもネットに一度挙げたものは永遠に消えません。それが将来どのような影響を及ぼすか考えたことはあるのかと、水谷さんはその危険性を強く子どもたちに伝えたといいます。ネットの世界は完全にオープンで危険なものだということを子供にきちんと教えるべきです。
他にもネットを使うなら警視庁や神奈川県警から、「メールけいしちょう」(→警視庁HP)といって色々な危険情報を子どもたちにメールで発信する機能もありますので、是非このような機能を使ってほしいと思います。
■家庭で出来ること
実際に子どもたちを危険から守る為に、家庭で出来ることはなんでしょうか。まずは子供のネット関係は親が履歴をチェックすること。プライバシーの侵害だと子ども自身に言われるかもしれませんが、子供にその資格はありません。子どもだけでは分からないから履歴の確認をして、不適切なサイトを閲覧していないか、親の方から常にネット環境を確認してほしいと思います。
また地域社会では多くの大人がもっと夜の街を回って欲しいです。子どもたちに「早く帰ろう」と一言声をけるだけで、子どもたちも「自分を見守っていてくれる大人がいるんだ」と感じ、それがある一線を超える歯止めになります。
夏は危険が多いので、予防対策として、親子でどのような場所に危険があるのかあらためて話し合ってほしいと思います。危険な目にあっても犯人の多くは20m以上追いかけてこないので、それだけスペースが取れるように4mから6m離れると追いつかれないことです。他にも例えば100m先に「助けて」と大きな声が届くように親子で練習してみるなど協力して予防対策を行ってください。
しかし何よりも一番有効なのは、夏休みだからこそ家族全員で食卓を囲むことです。顔を合わせて、その日にあったことを報告しながらテーブルを囲む、それが一番確実な危険防止でしょう。
「子どもたちのメッセージ」は毎週日曜日17:25~40 ラジオ日本AM1422Hzで放送中です。(→番組ホームページ)
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