[No.657] 鳩山内閣初の予算編成:政権交代で行政の中立性はむしろ低下!

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12月27日、綱島イトーヨーカドー前での街頭です。年末の賑わいの中、多くの婦人支援者の皆様から声援をいただきました。

鳩山内閣初の予算編成は問題点ばかり

鳩山内閣は初めての予算編成を25日閣議決定しました。マスコミでは、1.国債発行が過去最高の44兆円に上る、2.マニフェストでは一般会計と特別会計の合計200兆円の1割は無駄削減できるといったのが実現できなかった、3.マニフェストで盛り込まれた暫定税率廃止、高速道路無料化等政策変更するにしても国民への説明が不十分、4.事業仕分けの結果の反映もよくわからない一方、子供手当ての地方負担等が急に決まるなどプロセスが不透明など、多くの問題点が指摘されていますが、私が最も危惧するのは、本来政権交代で期待したことの真逆が起きているということです。

政権交代は内閣と与党の癒着を断ち切るためではなかったのか

岩波新書「政権交代論」で北海道大学山口二郎教授は、政権交代の必要性として、与党が長期間政権の座に居座ると、内閣と与党の癒着が起きることを挙げています。つまり、行政の中立性の確保のために政権交代は必要という、もっともな論理です。しかし、自民党政権以上に、「内閣と与党の癒着」を示したのが、鳩山内閣の初の予算編成でした。

政治利用・選挙目的の予算編成は許されるのか

農村の土地改良予算の半減により、自民党元幹事長の野中広務氏が民主党幹事長室に陳情に行き、既存の公共事業は「コンクリートから人」という一見もっともらしい論理で激減しました。その一方、既存のルートと全く異なる交付金が国土交通省と農林水産省で新設されました。満額査定となった農家の所得補償も農協は経由させないらしい。民主党が弱いとされた女性票を引き付けtるための子供手当て、高校実質無償化が実施されました。これらは参議院選挙目当てとの批判すらマスコミから上がっています。

何故、「民主党経由の陳情」でなければならないのか

従来、政策決定の二重構造はよくないと言っていた小沢幹事長が前言を翻し動き出しました。それどころか11月2日民主党役員会で地方や業界団体からの陳情はについて、民主党経由にするよう決定・発表したといいます。その指示通り民主党幹事長室に通されたある業界団体の専務や事務局長によれば、地元の民主党議員を経由することを求められたり、次回の参議院選挙での支援や政治資金の協力を求められたり。こんな露骨な「政治利用・選挙目的の予算編成」は自民党に時代ですらなかったと異口同音に話しています。

小沢幹事長の「おかしな憲法観」を質す

そもそも、政党経由でなければ陳情を受け付けないというのはどのような根拠に基づくのでしょう。「憲法をよく読め」「法律で決まっているのか」と言われる小沢幹事長にお聞きしたいものです。国民やその部分集団である業界団体、地方自治体が予算・税制の要望を行うのに、憲法に全く規定のない政党を経由すべしと言うことこそ「憲法違反」ではないのでしょうか。憲法15条の「公務員は全体の奉仕者」とする規定や、同16条が保障する国民の請願権などに違反するとも考えられます。民主党は私的な組織です。公的な行政機関ではありません。よって、行政機関ではないので行政手続法に縛られず、不当な処理をされても行政訴訟も起こせないのです。

小沢一郎民主党幹事長の「おかしな憲法観」を今後質して行きます。

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