[No.617]地球温暖化対策本部外務省ヒアリングー全く国際的に評価されなかった鳩山演説

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25日、地球温暖化対策本部第2回会合を開催しました。

論点は、温暖化の中期目標を議論するコペンハーゲンでのCOP15が12月7日からと迫る中、9月22日に鳩山総理が国連で宣言した「90年比で言えば2020年に25%減」という志の高い目標が、全く国際交渉のバーゲニングパワーとして活用されていないことです。

米国ホワイトハウスは25日、2020年までに05年比17%減(90年比3%減)の目標を発表しました。これは米国下院が今年の6月に可決していたものそのままです。つまり、鳩山総理の9月演説は米国に何ら影響を与えられなかったということです。

さらに、同日、国連気候変動枠組み条約イボ・デブア事務局長が、独ボンで記者会見し、「COP15では現行の京都議定書が2013から20年まで延長されることで合意されると見ている」との悲観的見通しを発表しました。これでは中国やインド等の発展途上国が削減義務を負わず、かつ、90年比という、我が国にとって全くの不平等条約です。

外務省や環境省からのヒアリングによれば、排出権取引などのクレジットや、いわゆる「鳩山イニシアチブ」という先進国資金拠出メカニズムも、国際的枠組みが決まってから我が国の対応を決めるという、全くの「小国」の発想。世界に向けて我が国が提案するという気概は全くありません。

これも「政治主導」の弊害でしょうか。それでは是非、政務三役をお呼びして日本の戦略を聞いてみたいものです。

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