[No.1619]ハマダレポート Vol.263.ー核廃絶へ、ネバー・ギブアップ
ー核廃絶へ、ネバー・ギブアップー
核軍縮・核不拡散全般の運用のあり方を検討する5年ごとのNPT(核不拡散条約)運用検討会議。
残念ながら、中東の非核兵器対地帯構想についてのみ合意できず、10年ぶりに最終文書不採択で5月22日に閉幕となりました。
私が座長を務める公明党核廃絶委員会としては、昨年8月6日の広島原爆投下の日に平和提言を発表し、今年の3月20日には、山口代表を先頭に岸田外務大臣に申し入れ等を行い、以下を政府に要請してきました。
第一には、核兵器の非人道性の議論をNPTの主要議題とすること。
第二に、被爆の実相に直接触れてもらうため被爆地広島・長崎に、核兵器保有国の首脳を含め多くの方々に訪問を要請すること。
第三に、原爆投下70年の今年のNPT運用検討会議の最終文書に、「核兵器のない世界」に向けての法的枠組みの「検討着手」を盛り込むこと、などです。
5年前の前回会合に比べ、核兵器の非人道性はまさに「主要議題」となり、閉会前日にまとめ上げられた議長テキストの多くの箇所に盛り込まれました。
また、ニュースでも報道された日中間で懸案となった「被爆地訪問」。最後は、「核兵器の非人道的影響を知るべく、被爆した人々及び地域とのやりとりし、その経験を直接共有する」という表現で合意。
さらに、第三点の法的枠組み検討着手も、「核兵器のない世界の達成及び維持に必要な法的条文またはその他の取り決め」などを特定・策定する作業部会を今年の国連総会に設置することを勧告する旨が盛り込まれたのです。
後は、この最終テキストについて本国の了解をとるプロセス。
固唾をのんだ最終日・・・・・・・。結果は、冒頭に紹介したような残念な形で終わりました。
しかし、逆に言えば、中東問題の1パラグラフ以外では、「ここまでなら世界で合意できる」というギリギリのラインを示すことができたのです。
先日、朝のNHKニュースで、日本原水爆被爆者団体協議会の坪井直(つぼいすなお)代表委員(90歳)が紹介されていました。
「ネバー・ギブアップ(決してあきらめない)」。坪井さんが各地で被爆体験をもとに核廃絶を訴えられる講演の毎回の最後の締めくくりの言葉だそうです。
この言葉、もう一度かみしめながら、浜田まさよし、「核兵器のない世界」に向け、さらに取り組みを強めて参ります。
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