ズバリ聞きます!「核兵器禁止条約と公明党」(7月3日付 公明新聞3面)

インタビュー ズバリ聞きます!「核兵器禁止条約と公明党」

核兵器を初めて全面的に禁止した核兵器禁止条約(核禁条約)の第1回締約国会議が先月、オーストリアのウィーンで開催されました。それに関連する「核の非人道性会議」や「世界国会議員会合」に公明党から派遣された浜田昌良・核廃絶推進委員長(参院議員)に、核廃絶と公明党の考え方を聞きました。

(メモ)核兵器禁止条約
核兵器の開発から保有、威嚇、使用まで全てを禁止する。66カ国・地域が批准(1日時点)。締約国が集まる初会議が6月21~23日で開催され、オブザーバーも含め80を超える国・地域が参加した。

 

■Q 締約国会議の成果は
■A 廃絶に向かう方途として 不拡散条約の役割を重視
<記者>
ロシアのウクライナ侵略の中での開催となりました。会議の雰囲気は。

<浜田>
ロシアのプーチン大統領が核による威嚇をしました。国連のグテレス事務総長は、「核が我々を廃絶する前に、我々が核を廃絶しなければならない」と述べたほどです。加盟国に核廃絶の必要性の認識が一層高まりました。
締約国会議に先立ってウィーンで開催された第4回「核の非人道性会議」では、核廃絶には被爆者の視点が重要であることが再確認されました。さらに、核廃絶に不可欠な核軍縮を進めるためには、国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)など市民社会との連携の必要性も共有されたと思います。

<記者>
会議の成果は。

<浜田>
行動計画が策定されたことで、核禁条約は核廃絶の規範確立だけでなく、核廃棄のあり方など実効性確保にも一歩を踏み出しました。
特に、核保有を認める核不拡散条約(NPT)と核禁条約との補完関係が強調されたことで、日本がめざす核保有国と非保有国の“橋渡し役”の重要性が高まりました。

 

■Q 核なき世界へ何をすべき
■A 「保有国」と「非保有国」の橋渡し役を政府に求める
<記者>
核禁条約未加盟の日本の役割は。

<浜田>
唯一の戦争被爆国として、「被爆の実相」すなわち、核兵器がどれほど非人道的であるかを世界に訴え続けることが大切です。岸田文雄首相も「被爆の実相」を世界中の指導者に知ってもらう努力をするとしています。
公明党は、第4回「核の非人道性会議」に被爆者を含む政府代表団の派遣と、来年の先進7カ国首脳会議(G7サミット)の広島開催を政府に求める緊急提言を5月に首相へ手渡しました。どちらも首相は応じ、実現しました。

<記者>
核保有国は核禁条約に強く反対していますが。

<浜田>
核廃絶に核保有国の参加が不可欠です。非人道性会議の同日、私はICAN主催の「世界国会議員会合」に参加しました。その会合声明でも、核保有国やその同盟国との「核なき世界」への目標共有の重要性が強調されました。
日本が核保有国と非保有国の“橋渡し役”を担うのなら、核保有国に核廃絶の意義を理解させることが必要です。そのためには、核保有国に不拡散と核軍縮の義務を課しているNPTから、軍縮進展による核禁条約加盟までの道筋を示すことが重要です。公明党は、このような努力を通じて核禁条約に背を向けている核保有国を関与させるよう政府に働き掛けていきます。

 

■Q 日本はどう関わるのか
■A 被害者支援・環境修復など経験生かした協力は可能
<記者>
締約国会議に日本も関わるべきでは。

<浜田>
核禁条約には核による被害者の支援と環境の修復が6条に規定され、そのための国際協力・支援を積極的義務とする規定が7条にあります。被爆国として、また、福島の原発事故の経験を持つ日本として、締約国の外から協力できる方法はないか、現在検討しています。市民社会の皆さまと連携して、今後、具体的に進めていきます。
また、締約国会議への日本のオブザーバー参加も引き続き、求めていきます。

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