新ハマダレポート Vol.38ー移住者が虹色に輝きつづけるにはー

新ハマダレポート Vol.38 2024.9.23

ー移住者が虹色に輝きつづけるにはー

8月30日、福島県の富岡町で、「移住トークセッション」が開催され、オブザーバーとして参加させて頂きました(9月16日付け公明新聞3面)。

福島被災12市町村は、原発事故後の避難指示解除の時期によって住民帰還率に大きな開きがあります。

2011年の事故後、概ね4年以内に解除された、広野町、田村市(都路)、川内村、楢葉町では、6割から8割以上の住民が帰還されているのに対し、解除が事故後5年以降になった、葛尾村、南相馬市(小高)、飯舘村、浪江町、大熊町、双葉町では、未だ3割以下となっています。

後者の中でも比較的に早い段階の16年7月に解除された、南相馬市小高地区では、解除後3年の19年3月で、事故前人口12,842人の約3割となる3497人となった以降、居住人口は伸び悩み、24年3月末で3818人に留まっています。

この「3割の壁」を打ち破る力として期待されているのが、移住者です。

12市町村への移住者は、21年度436名、22年度601人、23年度839人とほぼ倍増し、葛尾村、双葉町、富岡町では、帰還者を上回る勢いです。

「移住トークセッション」は、このような移住者増加の流れをさらに拡大するとともに、一人ひとりが直面する課題を把握し、支援のあり方を探るために、23年6月、内堀知事に提言したことがカタチとなったものです(新ハマダレポート Vol.14)。

移住者の方々は、七色のような個性を持っておられますが、絵具や光でも七色は混ざると、光の干渉で黒や白になってしまい、虹色になるとは限らないということがあります。

移住者の方々を虹色に輝かせ続けていくにはどうすればよいか?

2回目となる今回は、そのヒントが得られることを期待して参加させて頂きました。

参加者の意見を聴いていて、私が感じた第一は、多様性(ダイバーシティ)の尊重です。

葛尾村の「むらづくり」に取り組む移住者から、「村を維持継続していくには真の多様性が必要で、真の多様性とは他者を思いやる姿勢とそのための心の余裕」ということに、同感しました。そのためには、「素人」の意見の尊重も重要です。

第二に、「復興は団体戦」ということです。

パリのオリパラでの日本選手の活躍には目を見張るものがありましたが、中でも、体操男子やフェンシングなどでの団体戦の感動は多くの方々に共有されました。

飯舘村で花卉栽培に取り組む移住者から、長年の夢を胸に抱きながらも厳しい現実に直面し、思い悩むことも報告されました。

しかし、移住してこられた方も決して「一人」ではありません。それぞれの分野で個性を輝かせ、時には掛け声をかけて補い合いながら、全体として、虹色に輝いていく。参加者の皆さんに、そうエールを送らせて頂きました。

今後、福島県とも連携して、移住者のネットワークづくりとその輪の拡大に取り組んで参ります!

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