ハマダレポート Vol.530.―東日本大震災から9年―
ハマダレポート Vol.530. 2020.3.9
―東日本大震災から9年―
3.11東日本大震災から丸9年になろうとしています。
今後の課題をもう一度確認するため、先月末に、岩手、宮城、福島の3県を訪問させて頂きました。
三陸の主要産業である水産業・水産加工業。震災前に比べ、岩手、宮城の水揚量は6割から7割、水揚金額は8割強にまで回復してきています。
大船渡では、地元北里大学水産学部卒業後、鮮魚のネット販売を始めていた矢先に被災された、「三陸とれたて市場」のY代表を訪問。
「ゼロからのスタート」で、地元の漁師のノウハウと最新冷凍技術、HACCP準拠の衛生管理を再構築し、長期保存可能な冷凍刺身などの商品開発、国内外の需要開拓に取り組んでおられます。
その付加価値を高める商品開発は、まさに「目から鱗」。未だ2割弱の回復に留まっている福島の水産業との連携を図って参ります。
一方、岩手県内最大の被害を記録した陸前高田市では、土地の嵩上げと防災集団移転がようやく完了します。
数年ぶりに訪問させて頂き、土地利用促進のための柔軟な制度運用や、地方公共交通ネットワークへの支援などについてご要望を頂きました。
宮城県南部の山元町は、イチゴのハウス栽培が盛んでしたが、津波で全て被災。
しかも塩害で土壌栽培が困難となったことから、水耕栽培に切り替え、生産者は半数、作付面積は7割になりましたが、10a当たりの収穫量が30%増加し、震災前の収穫量まで回復しました。
東京から、震災後ふるさとの山元町に戻り、農業法人を立ち上げたIT技術者のIさん。
匠の栽培技術をデーター化し、環境制御で品質を高めるとともに、東京の直営カフェで商品開発を進め、超高級品「みがきイチゴ」から、イチゴのスパークリングワイン、白イチゴを配合した化粧品まで、先進的取り組みを進めておられます。
一方、医者でもある、福島県相馬市の立谷市長からは、「子どもたちのPTSD対策や風評被害対策を強化してほしい」とのお声を頂きました。
東日本大震災以降に生まれた子どもたちにも、避難生活や親の不安等が反映されて、困難を抱える子どもたちが多いとのこと・・・・。
東日本大震災から9年。浜田まさよし、初心に立ち返り、「風評と風化」の2つの風に挑んで参ります!
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