[No.1556]ハマダレポート Vol.234.ーほんとの空と本当の戦いー

ハマダレポート Vol.234.2014.11.3

ーほんとの空と本当の戦いー

「東京には空が無いという ほんとの空が見たいという」(智恵子抄ーあどけない話ー)

高村光太郎の妻、智恵子は福島県二本松市の酒造家に生まれ、洋画家として世に出、28歳で光太郎と結婚、その後も制作活動は続けていたといいます。

しかし、43歳の時に実家が破産。さらに結核を患い、自殺未遂の後、統合失調症で入院し、52歳で旅立っています。

「智恵子は遠くを見ながら言う 阿多多羅山(あだたらやま)の山の上に 毎日出ている青い空が 智恵子のほんとうの空だという」(同)

先日、奥岳登山口からロープウェーに乗って、安達太良山(あだたらやま)の「ほんとの空」を目指しました。

「この上の空がほんとの空です」と書かれた碑の向こうには、紅葉の峰々の上に抜けるような青空・・・・・。

ゆっくり流れる白い雲とのコントラストの美しさに、しばらくたたずんでしまいました。

その後、安達太良山頂から沼の平、くろがね小屋を経てロープウェー乗り場に戻る山歩きに一人で挑みました。

福島に常駐して1年10か月。磐梯山、一切経山、霊山(りょうぜん)と、「うつくしま福島」の峰々を自分の足で歩いてみています。

目標を見定めたら、中途半端に先を見ず、足元だけをしっかり見つめ黙々と一歩ずつ足を進める・・・・。

「復興再生」も同じです。長期目標をしっかり見定めれば、目の前の被災された方々や課題に全力で取り組まなければ、思わぬことで足をすくわれます。

復興の「槌音」がようやく聞こえるようになりましたが、未だ12万7千人もの方々が県内外に避難されているという福島の厳しい現実・・・・・。

「本当の戦い」はこれからです。

約5時間の山歩きでかいた汗を麓の岳(だけ)温泉で流し、福島市の宿舎に戻りました。

「ほんとの空」を目に焼き付けて、浜田まさよし、一歩一歩踏みしめながら「本当の戦い」に挑んで参ります!


P.S.二本松市の霞が城公園で11月24日まで菊人形展が開催されています。武者人形だけではなく光太郎と智恵子の夫婦像も展示されていますので、是非訪れてみてください。


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