2007.07
浜田昌良外務大臣政務官のシエラレオネ訪問(概要)

7月30日から8月4日、浜田昌良外務大臣政務官は、シエラレオネ共和国を訪問したところ、概要以下のとおり。今般の訪問は、8月11日に予定されるシエラレオネの大統領・議会選挙の実施の成功を促すこと、本年6月に我が国が国連平和構築委員会議長に就任したことを受けて同委員会の検討対象国である同国における平和構築の課題やニーズを直接把握すること、及び我が国とシエラレオネの友好・協力関係を維持・強化することを目的として行われた。


カバ大統領との会談



1.シエラレオネ政府要人との意見交換及び我が国の
支援に関する書簡の交換


(1)8月2日、カバ大統領と会談を行い、選挙準備状況や平和構築委員会の活動について意見交換を行うとともに、良好な二国間関係の維持と強化を確認し、来年の第4回アフリカ開発会議(TICADIV)へのシエラレオネからのハイレベルでの参加を要請した。また、気候変動、国連安保理改革、北朝鮮問題といった案件について国際場裡における協力関係を確認した。

カマラ外相代行との書簡交換



(2)これに先立ち8月1日、カマラ外務・国際協力大臣代行と、我が国が今般決定した、首都フリータウンの電力供給システム緊急改善計画への約5.7億円(約5百万ドル)の支援と約39億円(約33百万ドル)の円借款債務免除措置に関し、書簡を交換した。カマラ外相代行からは我が国政府及び国民への深い感謝の意が表明された。

ソープ選挙管理委員会委員長
(一番左)との会談


ワーン政党登録委員会委員長
(左中央)との会談



(3)また、8月1日、選挙管理委員会のソープ委員長及び政党登録委員会のワーン委員長とそれぞれ会談し、選挙の準備状況や課題について説明を受けた。浜田政務官は、両委員会の取組を評価するとともに、国際社会は同選挙を注視しており民主的で平和的な選挙実施を強く期待している旨表明した。

在留邦人との夕食会


シエラレオネ政府要人等を招いた夕食会で
スピーチする浜田政務官


(4)更に、7月31日には在留邦人との夕食会、及び、8月1日夜には、シャンカルダス名誉総領事主催による、シエラレオネ政府要人、国連・国際機関関係者、現地駐在外交団等を招いた夕食会が開催され、非常に和やかな雰囲気で懇談や意見交換が行われた。

アンジェロERSG(右中央)との会談



2.国連・国際機関等関係者との意見交換

(1)8月1日、アンジェロ・シエラレオネ担当国連事務総長執行代表(ERSG)と会談を行い、選挙準備状況やシエラレオネにおける平和構築の取組について幅広く意見交換を行った。

フォン・ヘーベル特別法廷事務局長
(左手前)との会談



(2)また同日、フォン・ヘーベル・シエラレオネ特別法廷事務局長と会談を行い、テイラー元リベリア大統領の裁判の見通しや、同法廷がシエラレオネ国内の司法制度に寄与し得る活動等について意見交換を行った。

フォーチュン・ナショナル・エレクション・
ウォッチ代表との会談



(3)更に、全国規模のNGO団体であるナショナル・エレクション・ウォッチのフォーチュン代表とも会談を行い、選挙における市民社会の役割等について意見交換を行った。



国軍の歓迎式典と軍高官から説明を受ける
浜田政務官




兵舎の状況の視察


3.視察

(1)8月2日、フリータウンの国軍兵舎を視察し、歓迎式典を受けるとともに、劣悪な生活環境に対する取組、特に水道設備と衛生状況の改善が必要であることを確認した。

国連ヘリによるマケニへの移動




首長の歓迎を受ける浜田政務官と
住民の歓迎の様子




住民集会の様子と集会でスピーチをする浜田政務官


(2)また同日、国連ヘリにて地方都市のマケニを往訪し、UNDPを通じた我が国の支援による小型武器回収プロジェクトを視察した。マケニでは、現地の首長の歓迎を受け、集会においては住民と活発な意見交換を行った。

 APEC貿易担当大臣会合(概要)

会合の概要
7月5日及び6日、APEC貿易担当大臣会合がオーストラリアのケアンズで開催された。APEC各メンバーから貿易担当閣僚等が出席(我が国からは甘利経済産業大臣及び浜田外務大臣政務官が出席)、オーストラリアのトラス貿易大臣が議長を務めた。なお、今次会合の成果として議長声明、WTOドーハ開発アジェンダ(DDA)交渉に関する閣僚声明及びAPEC貿易円滑化行動計画2(TFAP2)が発出された。会合における議論の概要は以下のとおり。

1.多角的貿易体制の強化
(1)WTO交渉に関し、グローバルな経済成長及び発展のため、多角的貿易体制を支持することの重要性が多くのエコノミーより再確認された。特に、NAMA交渉について、農業と絡めて多くの議論が交わされた。

(2)我が国より、ドーハ・ラウンドについては、包括的で全体としてバランスのとれた合意を目指すべきと主張。さらに、農業分野では、モダリティに合意するためには、輸出国側が現実的な姿勢を示す必要があること、サービス分野では、APECメンバーが質の高い自由化オファーを示すとの強いコミットメントを示して交渉を牽引すべき旨述べた。

2.貿易と投資の自由化・円滑化
(1)貿易円滑化

  貿易円滑化作業は域内の人が具体的成果として実感できる分野であるとの認識を共有。2010年までに貿易取引費用の更なる5%削減を目指す貿易円滑化行動計画(TFAP2)が採択された。なお、我が国からもSCCP(税関手続小委員会)等において本件作業に積極的に協力している旨紹介を行った。

(2)
地域経済統合に関する首脳への報告書 貿易担当大臣としての立場から、地域経済統合に関する首脳への報告書案について議論。APECは開かれた地域主義を標榜し、ボゴール目標に向かって活動を進めてきたことを想起しつつ、更なる地域経済統合を推進する重要性につき認識を新たにした。また、長期的展望としてのアジア太平洋の自由貿易圏(FTAAP)を含む、地域経済統合の推進方法と手段について、幅広い議論を行った。昨年のAPEC首脳会議において指示を受けた地域経済統合に関する報告書(提言)に関しては、貿易担当大臣会合での議論をふまえ、引き続き高級実務者レベルにおいて議論を継続、本年9月のAPEC閣僚会合・首脳会合に提出する予定。
また、多様な経済の発展段階にある経済体を包摂するAPEC域内においては、地域経済統合を実現する上でキャパシティ・ビルディング(能力構築)が重要である点につき、意見の一致を見た。

(3)
RTA/FTAモデル措置の策定は、域内で策定・交渉されているRTA/FTA に整合性を与え、地域経済統合の収斂に資することから、APECの先駆的な取組であるとの評価を行った。昨年6章を完成させたが、より多くの章に合意するため、9月の閣僚会議までに作業を加速化させることで一致した。

(4)
多くの閣僚から知的財産権の保護の重要性が指摘され、我が国より、特許取得手続におけるAPEC協力イニシアティブの推進等を通じて、権利取得と執行強化の両面でAPECが引き続き共同で努力することが必要である旨述べた。

(5)
さらに我が国より、5月下旬に日本で開催した投資自由化・円滑化シンポジウムの概要を報告し、APEC地域の投資環境改善に向け、投資協定の策定に貢献していきたい旨表明した。

3.国内措置・構造改革

(1)国境措置への取組が進展する今日、国内措置及び構造改革に関する取組は、ボゴール目標達成のための手段として、また地域経済統合に資するものとして極めて重要であり、そのための作業工程表を閣僚・首脳会議までに着実にとりまとめることで一致した。

(2)
この関連で、日本が豪州、インドネシアと共同で開催したECの競争政策セミナーは、構造改革の意義についての理解を深める上で有意義であったと高い評価を得た。

(3)
また、日本が豪州と共同で提案している「ポリシー・サポート・ユニット」は、APECにおける構造改革への取組に有意義な支援であるとして歓迎された。

4.クリーン開発・気候変動

気候変動問題に対して、貿易担当大臣としての立場からも取り組むべきであるとの呼びかけを受け、我が国よりも、先日安倍総理が発表した地球温暖化対策に関する新提案「Cool Earth 50」における次期枠組み構築に向けた3原則の内容を紹介した。

5.人間の安全保障

(1)多くの閣僚より、テロ対策、感染症対策、フードディフェンス等の重要性が指摘され、各エコノミーの貢献が歓迎された。

(2)我が国より、テロ対策・不拡散問題、感染症対策等安全保障環境の向上のための取組の拡充・強化の必要性に言及し、2003年より実施してきている生物・化学テロへの事前対処及び危機管理セミナーについて紹介を行った。また、エネルギー安全保障の観点からも重要なエネルギー輸送路の安全確保について、海賊対策も含めた更なる国際的連携を呼びかけた。

6.APEC改革
APECがより継続性のある効率的な活動が行えるよう、APEC事務局の強化が必要であるとの点で認識の一致を見、事務局予算や事務局長の専任化の必要性について議論を行った。

7.ABAC(APECビジネス諮問委員会)との連携について
5月末のABAC東京会合の概要が報告され、APEC地域の経済・産業の発展のためには、その重要な担い手であるビジネス界の意見を真摯に取り入れることが必要であり、APECとABACの連携の更なる強化を図っていくことで一致した。