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○ 浜田昌良君
東シナ海のガス田開発につきましては、今二つの点で日中間で認識の違いがありまして、問題が複雑になっていると考えております。
一つは、国連海洋法条約上の排他的経済水域、いわゆるEEZの境界線についての認識であります。
我が国は、当該水域は両国二百海里線までが重複する水域であり、境界画定はその中間線に基づくことが適切と、そういう認識でありますが、一方、中国は大陸と島の対比、海岸線の長さを踏まえた衡平原則を持ち出して、中間線よりも沖縄トラフまでの間が係争水域だと主張しております。
第二には、春暁や断橋ガス田の構造についてであります。
中国は、断層によりガス田が分断されており、中国側がガス田開発を行っても、中間線よりも日本側の資源開発には影響を与えないと、こう言っておりますが、一方、我が国は、これらのガス田構造が分断されているとは確定できず、我が国資源に影響を与えるおそれありと、懸念ありと言っているわけでございます。
国境や資源の領有は世界史の中でも往々にして主権国家間の論争になってきたわけでありますが、昨年十一月のチリでのAPEC会議の際、日中首脳会談が持たれました。その際、小泉総理は、胡錦濤国家主席に対して、東シナ海における中国の資源開発について、適切な対応が重要であり、東シナ海を対立の海としないようにすることが大切である旨発言されました。この東シナ海を対立の海としないためには、国際ルールと科学的データに基づき、我が国意見を毅然として主張しつつも、認識の共有点の拡大を図るということが何よりも重要と考えております。挑発的な行動は行う必要もなければ乗る必要もないと私は考えています。
そこで、まず外務省に質問いたします。
排他的経済水域の境界線についての考え方には、今言った中間線論や衡平原則等ありますけれども、これらのうち、国連海洋法条約上、優勢な考え方はどれでしょうか。また、同条約上、二国間で意見が異なった場合の解決メカニズム及び解決に要する期間にはどう考えるかについて御答弁いただきたいと思います。
○ 石川薫 外務省経済局長
お答え申し上げます。
国連海洋法条約上、海洋の境界の画定は衡平な解決を達成するために二国間の合意に行う旨規定されております。国際判例、各国の実行及び学説を踏まえますと、衡平な解決を達成するための方法としては、中間線を基に海洋の境界を画定するとの考え方が優勢となっていると、かように考えております。我が国としても、委員御指摘のとおり、海洋の境界画定は中間線によるべきとの立場でございます。
この海洋の境界画定は、国連海洋法条約上、二国間の合意が基本とされております。その上で、関係国は合理的な期間内に合意に達することができない場合には、同条約に定める一定の紛争解決手続に付する旨定められております。
他方、ここで言います合理的な期間及び紛争解決手続に要する時間につきましては、条約上、明文の規定はございません。どの程度の期間が必要となるかは一概には判断できず、個々の事例によって異なるものと考えております。境界画定におきましては、このような時間的要素も念頭に置いていく必要があるかと、かように考えております。
○ 浜田昌良君
引き続き、二国間の合意に向けて粘り強い交渉をお願いしたいと考えております。
次に、先般、東シナ海ガス田に関する三次元物理探査データの中間報告がございました。これによりますと、ガス田構造は分断されているとは言えず、我が国資源が影響を受ける懸念を裏打ちする科学データが得られたと思っておりますけれども、これに関し大臣にお聞きしたいと思います。
東シナ海ガス田に関する三次元物理探査データを早期に取りまとめ、中国側データと相互に交換すると、こういうことを提案されることはいかがでしょうか。そして、ガス田構造に関する日中間の共通の認識を拡大するということを促進してはいかがかと思いますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○ 中川昭一 経済産業大臣
いわゆる東シナ海の排他的経済水域の下にある石油、天然ガス、これは日本側、中国側ということをまず別にして、この問題に関してということで、タイトル名はそういう形でお答えさせていただきますが、今、浜田委員が御指摘のように、共通の認識を持つということはとても大事なことだろうというふうに思っております。
したがいまして、一昨年の十月に、一番最初に中国側が日本の排他的経済水域であるという海域の海底で石油、天然ガスの採掘の作業を始めたという情報が入ったときに、日本側としては中国側に対して、その地域は日本の排他的経済水域であるから、なぜそれをやるんだと。中国の排他的経済水域であるとするならば、その根拠、データをお示ししていただきたい。また、日本は日本の排他的経済水域であると主張をしている根拠というのは、御指摘のように、陸地から二百海里ということで行くわけでありますから、しかし、中国側から見て二百海里というものを引くと当然そこが重なってしまうわけでありますから、ですから、中間線というものを引きましょうと。
中間線の定義というものは、そもそもこれは、中国が自分のものは大陸棚の自然延長論によって沖縄トラフの手前までだと言っておりますけれども、日本の主張は上海の手前までが二百海里なんだというのが基本的なスタンスであります。
しかし、日本は相手に配慮をして、重なり合いますから中間にしましょうと言って日本は相手に配慮をしておりますけれども、中国側は配慮をしないまま、いや、日本の言っていることはおかしいんだと、中国のもの、EEZは沖縄トラフまでだと言っているところにまず、イコールフッティングじゃないということがまず一つございます。
中間線という議論については、我々は最近、特に意を強くしておりますのは、昔は国際司法裁判所の判決でも大陸棚自然延長論というものが主流であった時代がございましたけれども、ここ二十年ぐらいの間の幾つかの判決、例えばマルタとリビア、あるいはデンマークとノルウェーとか、あるいはイエメンと何とかとか、エトアニアと何とかとか、イランとどこどことかというやつは、原則として中間線をベースにしてEEZを確定をするという判決が今では当たり前と、ここ二十年の判決はすべてそういう判決でございますから、そういうことで、我々は配慮をした上で中間線の内側に入らないようにしてくれということを前提に一昨年の十月以来やっているところでございます。
そこで、浜田委員の御指摘のように、昨年の七月以来、何の音さたもないことを前提にいたしまして、日本としては、日本として当然やるべきことをやろうじゃないかということで、ノルウェーのランフォーム・ヴィクトリーという三次元物理調査船を用船いたしまして、昨年の七月来、いまだに調査をしているところでございます。
これは、台風もございました。あるいはまた、いろいろなほかのこともございました。しかし、いまだにやっておるわけでありますが、先月の二月十八日に中間報告という形で中間線の付近の地質調査を公表させていただきましたが、特に春暁という一番問題になっている地域と、それから、もう少し北の断橋という向こう側が採掘を始めると言われております地域については、日本側の中間線から少し入ったところの地質構造を調査しても、春暁に向かって上がっていっている、断橋に向かって上がっていっている、つながっているのではないかという可能性が非常に高いということが第一点でございます。
それから、御指摘の、断層があるから関係がないんじゃないのかというのは、確かに、去年の十月二十五日の日中の局長レベルの会談のときも先方が言ったところでございますけれども、確かに断層があるところも今回の調査で明らかになっていることは事実でございます。しかし、断層があるからといって構造がそこで断絶しているかというと、それは実際に調べてみないと分からないわけでありまして、断層のずれが構造全体の分離と必ずしも一致しないということも、これは科学的に十分根拠のあることでございますので、浜田委員御指摘のように、我々の得られたデータを向こう側に出す用意はいつでもあります。
ただ、一年半前から我々は、そちら側がお持ちになっているデータを是非出していただきたいということを言い続けておりますが、いまだに、はっきり言って、うんともすんともきちっとした対応がないというのが現状でございます。
○ 浜田昌良君
お互いのデータに基づく科学的な認識を共有すると、これが大事だと思いますので、粘り強くお願いしたいと思います。
また、先般、中川大臣は衆議院の経済産業委員会で今後の見通しについて幾つかの選択肢を答弁されております。それは、中間線の日本側において実際に試掘を行うという選択肢などであります。一方、試掘の結果、ガス田構造が連続していることも高い可能性で想定されます。
そこで、経済産業大臣にその先の選択肢についてお伺いしたいと思います。
ガス田構造が中間線を越えて連続しているということが判明した場合、日本の主張である中間線を前提とした日中両国によるガス田共同開発というのも我が国が主張すべき選択肢であると考えますが、この点についていかがでしょうか。
○ 中川昭一 経済産業大臣
最終的に、さっき申し上げたように、中間線のところまでまだ調査の結果が出ておりませんから、断定的なことは申し上げられませんが、二月十八日に発表したデータにおいては、春暁なり断橋なりに向かって構造がつながっていっている蓋然性が極めて高いということは既に申し上げたところでございますし、そもそも、一九八〇年代の中国の、日本でいう国土地理院みたいなところが発表したデータによっても、そこに中間線を乗っけると、中間線をまたいで春暁なりいろんな地域が石油なりガスが存在しているという中国側の資料というものも我々は参考にさせていただいているところでございます。
したがいまして、中間線をまたいだといいましょうか、中間線より日本側の地域に石油なりガスなりが存在する可能性があるというときには、まず一義的に日本が判断をすべき問題であると思います。しかも、この地域は、御承知のとおり、もう三十年も四十年も前から民間の企業が日本の鉱業法に基づいて採掘権の申請をずっと出していて、日本はいろんな観点からそれに対しての許可を出しも出さずもせず現在に至っているわけでございまして、今後、日本が日本の独自の判断としてどういうふうにしていくかという大前提の中で、現在は考えておりませんけれども、例えば許可を与えるのかとか、あるいはまたその後試掘をするのかとか、あるいはまた中国側とイコールフッティングに立つという前提で共同開発をするということも含めて、いろんな可能性があることは否定はしておりませんけれども、現時点においてはまだ調査の段階でございますので、何ら、申し訳ございませんが、我々として次の段階に何をすべきかということを決めているわけではございません。
○ 浜田昌良君
確かに現在は調査の時点でございますが、引き続き、我が国が主張すべきことはあくまで主張し、その上で日中両国の未来の発展を見据えた実りある合意に向けて、粘り強い交渉をお願いしたいと思います。
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