[No.871] 「100日ブログ」第78号ー何故、民主党政権は混乱するのかー

第78号(6月18日)ー何故、民主党政権は混乱するのかー

菅新政権は、疑惑隠しで選挙に突入した。普天間問題、高速道路無料化、暫定税率廃止、一般会計・特別会計総計200兆円の1割をムダの削減で捻出など、次々と当初の「公約」が実現不能と判明。消費税を4年間増税しないと言いながら急に議論を野党に呼びかける。さらには、後期高齢者医療制度の廃止、年金は税方式へ変革も全くの先行き不透明。

何故このように混乱するのか。与党になって未熟なせいであり、経験が重なれば対応できるとの意見があるが、それは間違っている。というのは、そもそも、民主党の衆議院選挙時点での「マニフェスト」は、国民を煽る様な項目が多く、実現可能性を十分に踏まえていないためである。よって、菅政権が、このマニフェストの白紙撤回を宣言しない限り、いくら表紙を買えても混乱は続く。

問題は、それでは何故、このような実現不能な扇動的項目が政権交代を目指す「第2党」の「マニフェスト」に多く掲載さられてしまうのかという点だ。ここに、我が国2大政党制の「未熟さ」が現れている。実は16年前に選挙制度は「小選挙区」という2大政党制を人工的に作る制度にしたものの、国会論戦は「与党が提案すれば野党は足を引っ張り反対する」という55年体制のままであったのだ。いや従来の55年体制以上「政権交代のための選挙」の重みが増し、一層に扇動的議論が多くなった。よって、当時の福田総理が道路特会一般財源化を言えば、できもしない「高速道路無料化」「暫定税率廃止」で国民の反対を煽ったのだ。

この16年の国会での議論、この9ヶ月の政権交代の経験から言えることは、もはや日本における「2大政党制」はとっくに破綻していると言うことである。折しもそのお手本であった英国の2大政党制も終わりを告げ、連立制に移行した。日本においても、「第3政党」の躍進、さらには「新たな中選挙区制」の導入こそ、日本の成熟した国会論戦、「声の届く政治」の鍵である。そのための前哨戦こそこの度の参院選。浜田まさよし、全力で戦います。

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