[No.829]「ブログ100日」第49号ー英国総選挙結果に思うー

第49号(5月20日)ー英国総選挙結果に思うー

 

5月6日の英国総選挙の結果を受け、戦後初めての連立内閣が英国でスタートした。民主党がお手本とした英国の「二大政党制」は、もはや多様な民意を受けきれないという証拠であろう。今回、労働党、保守党とも過半数という国民の信頼を得られなかった理由が「政治とカネ」にまつわるスキャンダルだということは興味深い。巨大政党の「驕り」のなせる業である。我が国においても「二大政党制」は完全に期待を裏切っている。実は、もともと我が国は二大政党制「失敗国」なのである。大正デモクラシー、小選挙区制を経て、平民宰相・原敬、高橋是清、犬養毅などの政友会とライオン宰相・浜口雄幸や若槻礼次郎の民政党という2大政党制が大正から昭和初期に展開された。しかし結果は、全く不安定な政治となり大衆から見放され、軍部に実権を握られていくのである。その失敗の要因として、今般の「政権交代」の生みの親とも評されている山口二郎北海道大学教授はその著書で、1.争点にすべきではないことを争点にしてしまったこと、2.大衆の要望を国会論戦に反映できなかったことの2点を挙げている。まさに、今の我が国に当てはまるのではないだろうか。

 

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